ぐるめぐのアニメ雑記

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【アニメ感想】「冴えない彼女の育てかた」霞ヶ丘詩羽回の仕掛け

冴えカノ 亀井コンテ回がたまらん。
好きなカットを抜粋して語らせてください。

冴えない彼女の育てかた #6 二人の夜の選択肢」絵コンテ:亀井幹太
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└作家・霞詩子もとい霞ヶ丘詩羽に、ファンとして彼女の小説の感想を一方的にぶつける安芸倫也

この一見親密に映る二人のカットがとても好きなんですよ。
詩羽は倫也のことをじっと見つめているけど、倫也が見つめるのは詩羽の小説。霞ヶ丘詩羽じゃなく作家・霞詩子を見つめている。

亀井コンテにおいて、詩羽と倫也の関係性を示すようにたびたび電車が画面に映るんですよね。
この場合、近付いてはいるけれど少しズレた二人の関係、思い違いといったメタファーでしょうか。
ただ、ゆっくりと停車する電車に安心感や居心地の良さもあったりして。

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作家としてではなく、あるいは恋へのアンサーとして原稿を読んでほしいという詩羽。ファンとして刊行前の原稿を読むことはできないと断る倫也。以後二人は疎遠になってしまう。

詩羽にとってこの原稿は倫也へのラブレターとイコールだったんでしょうね。
バックに映る電車は止まらぬ速さですれ違う。ホームにゆっくりと停車する先ほどのカットとは対照的です。

シーズン跨いで「冴えない彼女の育てかた♭ #3  本気で本当な分岐点
絵コンテは同じく亀井幹太
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関西へ進学するか、東京に残るか、残ってほしいと言えないままでいる倫也。画面上の優位は詩羽にあり、倫也は見上げる構図。
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真剣な眼差しで訴える倫也の告白を受けて、詩羽は階段を下りる。想いを込めた原稿の入ったUSBを渡し、倫也に選択を委ねる。

この一連のカットが印象的でした。
ウジウジとしていた倫也の本音をようやく聞けて、詩羽は足場を同じにしてUSBを手渡すんですよね。
そして今度こそ、原稿に秘めた想いを読み取って欲しいと。

ここでの舞台は駅構内になっていて、やはり亀井コンテにおいて倫也と詩羽の関係性は電車や駅がキーになっているんですよね。
シーズンを跨いだ演出がニクいですよ、ほんと。

語りたいカットまだまだありますが、今回はここまでで